一般の人から音楽関する投稿を募集・掲載するサイト、
音楽文.comをロッキンがオープンさせたらしい。
皆さんそれぞれ好きなアーティストの音楽と自分との物語や、熱い気持ちを書いていて、読んでいるこっちも熱い気持ちに。
その熱い思いのまま、久々にPerfumeについて書きたくなって寄稿してみましたが後から読み返したら、内容があれれ?載せられないぞ?ってことに気が付きました笑
折角書いたので辞めたはずのブログにぽいっちょして成仏させておきます、すみません!!
Perfume好きを公言すると、ごく稀に悪意を持った人にこう言われる事がある。
「あの人たち、口パクでしょう?」
私は困ったような笑顔をつくって返す。
「うん、まあ、そうだね」
言いたい奴には言わせておけばいい、反論するエネルギーを使ってまで理解を求めようとは思わない。だが、そう言われる度に一緒に飲み込んできた言葉を、腹の底に溜まった悔しさを、今回は少しだけ解放させて欲しい。
彼女たちのパフォーマンスの特徴はテクノをベースにした楽曲と、それを視覚的に引き立てるダンスとの融合だ。音源が発表されて、ライブやPVで振りがつけられ、初めてPerfumeの曲として完成する。
ご覧いただければ分かるが、ダンスは正確無比な3人のシンクロを求められるものであり、速い・細かい動きも多く、飛んだり跳ねたり(それもヒールで!)と、感嘆してしまうほど難しいものだ。且つ、楽曲については声にエフェクトを掛け、感情や人間味をなるだけ排除したクールな曲も多い。その2つを両立させなければならない。感情を込める余地のある曲ならまだしも、無表情でクールに歌い踊る曲で息切れや声の揺らぎが入ってしまってはどうだろうか。盛り立てるはずのダンスが楽曲の魅力を半減してしまう事になると、私は思う。だからPerfumeはリップシンクという道を選んだ。
それに、3人が気軽にその選択をしたわけではないという事も声高に主張したい。
そもそもPerfumeは広島アクターズスクールの出身だ。そこではどれだけセンターに近付けるか、ソロを取れるか、どれだけ歌声に感情を乗せて歌い上げられるかが重要視された。周りのスクール生は仲間であるとともにライバルで、どれだけ個を主張できるかが最重視されたことだろう。
可能性を見込まれた3人組は中学3年生の春に上京し、そこから楽曲プロデュースは中田ヤスタカに依頼することになる。テクノとポップを掛け合わせた独特の楽曲のレコーディングではなるだけ感情を排することが求められた。
「歌い上げてはダメ」「もっと突き放すように」
ついには力を籠められないよう椅子に座ってレコーディングするようになった。(これは今でもそのスタイルのままである)
叩き込まれたアクターズ精神を根本から揺るがされ、若い3人は困惑した。当初のレコーディングでは上手くいかないと必ず誰か泣いていたそうだ。SPEEDに憧れていた女の子たちなのだ。表現を抑えろと突然強いられ、声にはエフェクトが掛かり、誰が歌っても同じなんじゃないかとどれほど苦しかっただろう。
その後、時間をかけて3人は自分たちの楽曲を好きになっていった。そしてその良さを表現するのにはリップシンクが適していると納得するには、更なる時間が必要だったことは想像に難くない。
もう1つだけ、ダンスの話もさせて欲しい。
先日TV番組で3人のダンスの揃い方が凄まじいと特集を組まれた。
MCの1人が言った。「揃えないのもその人の個性だと思う」その通りだ。他人と違うことが自らの個性と考えるのが普通だろう。
あ〜ちゃんが答える。「私達は揃えることで逆に個性が出ると、そういう考えでやっている。好きでやっているので」
テレビの前で1人私は胸が熱くなった。3人揃って1つと捉えられることを初めから甘受していた訳では無いだろう。しかし、今や、パフォーマンスに己の身を捧げることの困難さを、そのことで生まれる他にはない特異性を本人たちが理解して進んでいる。
Perfume First
〜Perfumeを第一に考える〜
センターやリーダーがいる訳でも、メンバーが入れ替わるわけでもないPerfumeの強みは、それぞれがグループを一番に想う気持ちの総力だ。己の個を没してでも全体のパフォーマンスに徹する職人魂だ。
今年は結成17年、メジャーデビュー12年、ポリリズムでブレイクしてから10周年の年。長い時間をかけて成長しながら築き上げてきたこのパフォーマンスグループの今後を、更なる期待を持って見守り続けたい。
「肩を組んで笑ってきた僕らはきっと負けない」
(STAR TRAIN)